人生の最終段階における医療・ケアの希望(事前の意思表示)
管轄、医療および法的助言に関する重要な注意
これは、本人が将来の医療・ケアについて家族と医療者に希望を伝えるための、架空の詳細な話合い用文書です。法律上または医学上の助言、医療行為の指示書、診療報酬上の様式、救急隊が必ず従う命令、またはあらゆる医療機関でそのまま有効なリビングウィルではありません。日本には、人生の最終段階の医療・ケアに関する本人の意思決定を尊重するための指針や医療機関ごとの手続がありますが、すべての治療拒否を一つの文書だけで強制できる統一的な法定様式があるとは限りません。DNAR(心肺蘇生を行わないこと)は、他の治療を全て拒否する意味ではなく、心肺停止時の蘇生方針と、通常の酸素、輸液、抗菌薬、鎮痛、栄養または精神的支援の希望を分けて確認する必要があります。本人に意思能力がある間の説明と同意、具体的な病状、治療の利益と負担、緊急時の安全、家族の役割、成年後見制度、臓器提供、宗教上の希望および施設の倫理手続が関係することがあります。作成する際は、主治医、訪問看護師、介護支援専門員、医療ソーシャルワーカー、信頼する家族および必要に応じて医療・家事事件に詳しい法律専門家と話し合い、診療録、救急時情報、マイナンバーカード等の保管方法、転院・引越し時の共有方法を確認してください。急な症状では本書を探すことより救急要請を優先し、医師が現在の状況に応じて説明と判断を行います。
1 意思を示す本人
私、山本 春子(1959年11月6日生まれ、〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西八丁目3番12号、電話011-555-7012)は、2027年5月3日、主治医から説明を受け、内容を理解し、質問し、選択し、その理由を伝えることができる状態で、以下の希望を書き留める。私は現在、札幌中央さくら内科(北海道札幌市中央区北一条西五丁目4番地)の佐々木 修平医師を主治医としている。2027年4月21日、私は佐々木医師と、意思能力、今後起こり得る病状、治療の目的、苦痛緩和、家族への説明および本書の限界について約60分話し合った。
本書は、私が意思能力を失った場合または意思を伝えられない場合に、私の価値観を医療者と家族が確認するための資料である。私が意思能力を保ち、その時点で異なる希望を明確に伝えた場合は、その新しい意思を優先してほしい。私は、医師、看護師、救急隊員その他の医療関係者が、目の前の症状と有効な情報を確認し、法令、医療倫理、施設の手続および専門的判断に従って対応することを理解している。
2 私が大切にしていること
私は、家族や友人に自分の気持ちを伝え、会話、手紙、表情または別の方法で関係を保てることを大切にする。自分で排泄、食事、移動を全てできることだけを生きる条件とは考えないが、苦痛をできる限り抑え、尊厳を保ち、医療者から見通しを説明され、決定に参加できることを望む。回復可能な感染、脱水、薬の副作用、骨折、痛み、息苦しさ、せん妄または不安について、治療によって本人らしい生活に戻る見込みがあるなら、負担と利益を説明した上で治療を受けたい。
一方、不可逆的な病気や脳の損傷が進み、治療の目的が回復ではなく、意識や人との意味のある交流が戻らないまま死期を短期間延ばすことだけになる場合は、延命のみを目的とする治療を開始または継続しないことを希望する。ただし、私の状態が本当に以下の条件に該当するか、少なくとも主治医を含む医師が説明し、可能なら別の医師の意見も確認してほしい。年齢、身体障害、認知症の診断名、うつ状態、発語の困難、短期間の意識消失または他人が理解しにくい行動だけで、私の希望を適用しないでほしい。
3 この希望を検討してほしい状況
以下のいずれかに該当し、私が意思能力を失っていて、医学的に回復の見込みと治療の目的が説明できる場合に、本書を検討してほしい。
一 進行性で不可逆的な神経疾患等により、近親者を恒常的に認識できず、意思を伝える一貫した方法がなく、医師が有意な交流へ戻る合理的な見込みがないと判断した場合。
二 重い脳損傷、低酸素性脳症または同様の状態について、適切な観察と検査を経て、複数の医師が意識のある状態、意思疎通または私が価値を置く交流へ回復することが合理的に期待できないと説明した場合。
三 治癒不能な病気の最終段階にあり、死が近く、治療を行っても基礎疾患を改善せず、入院や医療機器によって死期を短期間延ばすことが主な結果となる場合。
本書は、医師が回復可能と判断する肺炎、尿路感染、脱水、可逆的な薬剤性せん妄、短期間の手術後の意識障害、意思伝達補助具で意思を示せる状態、または本人が治療を求めている状況には自動的に適用しない。診断が不確実である場合、医師は私が指定した人に説明し、緊急性と治療の時間的余裕を踏まえて、再評価の時期を記録してほしい。
4 治療とケアについての希望
上記の状況で、治療の目的が回復ではなく延命だけであり、本人の意思能力がない場合、私は、心肺停止時の胸骨圧迫、電気ショック、気管挿管を含む心肺蘇生、人工呼吸器、透析、集中治療室への入室、大きな手術、経管栄養または人工的な水分・栄養補給について、開始しないこと、または医学的に適切な時期に中止することを検討してほしい。これは、医師に無意味な治療を中止させる命令ではなく、上記の条件と医学的判断を前提とした私の価値観の表明である。具体的な治療の適応、負担、予想される利益および中止後のケアを、家族と私の指定連絡先に説明してほしい。
私は、痛み、息苦しさ、吐き気、不安、せん妄、口の渇き、褥瘡および不眠を和らげる薬、酸素、体位交換、清拭、口腔ケア、排泄介助、静かな環境、手を握ること、音楽、家族との面会その他の緩和ケアを受けたい。苦痛を十分に和らげるために適切な薬が必要で、その結果として意識が低下したり、生命が短くなる可能性がある場合も、医療者が目的、方法、量および再評価を説明し、適切に実施する限り、苦痛緩和を優先してほしい。抗菌薬については、治癒し、苦痛を減らし、本人らしい時間を確保する見込みがある場合は受けたいが、最終段階で感染を治す見込みがなく、点滴や入院の負担だけが大きい場合は、緩和中心とする選択を話し合いたい。
水分や栄養を口から取れるときは、好きな味、少量の飲み物、誤嚥を避ける姿勢を尊重してほしい。食べられなくなった場合、無理に勧めたり、家族が自分を責めたりしないよう、口腔ケアと苦痛の評価を行ってほしい。経管栄養、点滴、胃ろう、中心静脈栄養を一律に拒否するものではないため、導入前に回復可能性、期間、身体的負担、本人の苦痛および中止の条件を説明してほしい。輸血、鎮静、抗けいれん薬、解熱薬および処置の扱いは、症状と目的ごとに判断してほしい。
5 救急時、DNARおよび判断の仕組み
私は、DNARが「心肺停止時に蘇生処置を行わない」という限定された方針であり、通常の診察、苦痛緩和、感染治療、酸素、点滴、入院、手術またはその他の治療を全て拒否する意味ではないと理解している。救急隊や医療機関にこの文書を提示した場合も、現在の症状と意思能力を確認し、施設の正式な記録、医師の説明、家族との話合いおよび本人の最新の意思に基づいて判断してほしい。救急車を呼ぶべきか迷う場合の連絡先と、自宅での緩和ケアの連絡先を、主治医と訪問看護ステーションの計画書に記録する。
緊急時に最初に連絡する人は、パートナーの山本 和也(同住所、電話011-555-7013)である。次に連絡する人は、長女の山本 由衣(〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央二丁目9番4号、電話022-555-4480)である。二人には、私の価値観を説明し、最新版を保管してもらうが、本書だけで医療代理人、成年後見人、財産管理人または本人に代わって全ての同意をする権限を与えるものではない。医療同意や財産管理の代理権が必要な場合は、別の制度、医療機関の書式または公正証書等を確認する。
6 話合い、共有および見直し
佐々木医師には、診療録に本書の存在、作成日、私の理解・判断能力の確認、話し合った治療、未解決の点および家族への説明状況を記録してほしい。私は、北海道大学病院、札幌市立病院または介護施設へ移る場合、最新版の写しと、どこまで家族と共有してよいかを伝える。家族の意見が一致しない場合、誰かを責めるのではなく、私が過去に話した価値観、現在の医学的情報および私の最新の明確な意思を中心に、医療チーム、倫理相談窓口および必要な専門家を交えて再検討してほしい。
私は、少なくとも2年ごと、診断、治療、入院、介護状態、居住地、家族関係または価値観に大きな変化があったときに本書を見直す。意思能力がある間は、口頭で撤回・変更できるかを医療者に伝え、診療録へ記録してもらい、古い写しを回収または「撤回」と明示する。後日の日付の書面、録音、診療録に記載された明確な意思またはその場での意思表示と本書が矛盾する場合は、医療者にその矛盾を伝え、最新の有効な意思を確認してほしい。私は、いかなる治療も拒否することを望むのではなく、説明なしの延命のみを避け、苦痛を減らし、尊厳を守るための対話を望んでいる。
7 本人の確認と署名
私は、本書を読み上げてもらい、質問をし、心肺蘇生、人工呼吸器、透析、人工栄養、緩和ケアおよび見直しについて説明を受けた。私は、医療者が本書の文言だけでなく、病状、最新の意思、適用される指針、施設の手続および医学的な必要性を検討することを理解し、自由な意思でこの希望を記録する。
山本 春子
署名:____________________ 作成日:2027年5月3日
確認者:佐々木 修平医師 札幌中央さくら内科
説明・確認日:2027年4月21日 署名:____________________
第一連絡先:山本 和也 署名(共有を確認した場合):____________________
第二連絡先:山本 由衣 署名(共有を確認した場合):____________________
医療機関で追記する欄
本人の意思能力についての評価、主な診断と見通し、具体的な治療ごとの希望、DNARの記録の有無、訪問看護・介護事業所との共有、救急時に携帯する場所、次回の見直し予定日および撤回方法を、医療機関の正式な様式に従って記載する。
本書は、コピーを主治医、訪問看護ステーション、介護施設、指定連絡先および本人が希望する救急時情報の保管場所へ渡す前に、各機関が受け付ける版、署名、本人確認、診療録への登録および夜間の閲覧方法を確認する。医療機関の方針または最新の国・自治体の指針により、文言や手続の変更が必要な場合は、専門家と話し合い、古い文書との優先関係が分かるようにする。